〈読書100〉【1】湊かなえ『少女』2018/6/20~21

ごきげんよう、よしいです。

さて、今回はブログ開設から記念すべき一冊目の感想、

湊かなえさんの『少女』についてです。

こちらの本は大学の図書館から貸し出してもらいました。

映像化されてからずっと気になっていた作品だったので期待は大。

大学の演習の授業で取り扱った方がいたり。

ものすごく楽しみでした。

 

湊かなえさんの作品は以前に映画化された「告白」をレンタルして観ただけで、

実際に作品を読むのは初めててです。

 

冒頭「子どもなんてみんな、試験管で作ればいい。」

(わくわく)

 

作品を読む前は多感なお年頃の主人公が

「人が死ぬところが見たい」とか思っちゃって

しだいに人の闇の部分が露わになったりとか、

それによって日常が歪んでいってしまったり…みたいなイメージでした。

 

ですが、実際そこまでもなく。

ずっと不穏な雰囲気が漂ってるかと思いきや、全体的にけっこうポップだった。

登場人物達が飛びぬけた思考でしたね。

「マジか…」と笑ってしまった。

 

なんかメインは由紀、敦子の物語なんだけど共感はできなくて。
非現実感が凄い。純粋過ぎる?何ていうのかな
二人にしか感じれない、二人だけしか分からない友情?
愛?みたいな
置いてけぼり感があった。

裏には大きく紫織の物語があってパーンと物語全体引っ繰り返るシーンがあるんだけど
どちらかというとこっちの紫織の物語のほうがリアルだったかな。

 

文章自体は全体的は易しいと思うんですけど、時々つっかえながら読みました。
でも、読みやすい部類に入ると思います。
ライトノベルっぽかったな。

 

高校生の時に読んだ東野圭吾の『白夜行』の感じを期待していたので
読後は多少肩透かし感。

 

まあ、女子高校生が語っている体だしね。

(にしても中学生ぐらいのイメージで読み進めちゃったよ)

でも彼女等の言葉は、読むとその映像が頭に浮かんできて、

なかなか幻想的と言いますか。

(電車飛び降りの紙切れ、由紀の黎明の旗を眺める風景、記憶など)

胸がきゅっとなりました。

なんだかんだうるっとさせられました。

伏線もたくさんありましたし、やっぱり面白かったです。

 

そして自分のなかの気づきとして、自分は「夏休みもの」が好きみたいです。

そういうのが題材なの大好き。センチメンタルになっちゃう。

 

次は映画版の「少女」を観たいな。

夏のクーラーガンガンの部屋で。

わくわく。

 

ここで好きな文章引用メモ。

ネタバレ注意なので反転で。

「想像を超える現実を見たいのに、現実を想像で補うのではまったくの無駄な死だ。」(P60)

「身近な人の死の瞬間など見なくても、自分の頭の奥に死の記憶はこびりついていた。死など、美しくもなんともない。真っ白になって、ただ、その場から消えてしまう。それだけだ。」(P246)

 

ではまた。